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デットリフトとは?
背中のトレーニングは全身の中でも特に効かせることが難しく初心者にとってはレベルが高い部位の1つです。そんな難点を克服してくれるのがまさにデットリフト!
デットリフトとは重りを付けたバーベルを地面から引き上げるトレーニングのことを言います。引き上げる際に背中から足までの全体的な筋肉を総動員させる必要があるので背面(身体の裏側)を鍛える上では一番効率の良い方法となっています。初めての方でも無意識で背中に負荷をかけることが可能です。
その反面やり方を間違えてしまうと腰を痛めてしまう確率が高いので正しい知識とフォームを理解した上で行いましょう。
広背筋・脊柱起立筋・僧帽筋・前腕・大腿四頭筋・ハムストリング
どんな効果があるの?
【効果1】 | 背中の広がりと厚みを作ることができる |
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【効果2】 | 多関節種目のため、多くの筋肉を同時に鍛えられる |
【効果3】 | 高重量を扱うことによる筋肥大効果を見込める |
【効果4】 | 全身運動のため、消費カロリーが多い |
【効果5】 | バランスよく背中を鍛えられる |
【効果1】背中の広がりと厚みを作ることができる
デットリフトは引き上げる際に広背筋を使用します。冒頭でも触れましたが、一連の動作内で背中の収縮が行われるため無意識に刺激が加えられて広く分厚い背中を作り出すことができます。唯一意識すべきポイントは引き上げたフィニッシュ時に顎を引いて胸をしっかりと張ることです!
どうしても重たいバーベルを持ち上げているとフォームが崩れてフィニッシュ時に背中が丸まってしまう傾向にあります。ただ引き上げるだけでは完全に広背筋を収縮させることは難しいのでウォーミングアップ段階から「最後は胸を張る」ということを意識してみましょう!
【効果2】多関節種目のため、多くの筋肉を同時に鍛えられる
トレーニングには大きく分けて「単関節種目」と「多関節種目」の2つが存在します。言葉の通り1回のトレーニングに関節をいくつ使用するかによって区分分けされますが、単関節は【1つ】、多関節が【2つ以上】と定義されています。
【内容】 | 【単関節種目】 | 【多関節種目】 |
【使用部位】 | 使用する部位は1つ | 使用する部位は2つ以上 |
【メリット】 | ピンポイントで負荷をかけやすい | 一度のトレーニングで多数鍛えられる |
【デメリット】 | 時間がかかる | 力が分散されやすい |
【代表的な種目】 | アームカール・ダンベルプレス | ベンチプレス・デットリフト |
【ワンポイント】 | 低重量でもしっかり追い込める | 高重量を上げることができる |
【効果3】高重量を扱うことによる筋肥大効果を見込める
筋肉を肥大化(通称:バルクアップ)させるには高重量を扱わないといけません。単関節種目は一つの部位だけしか力を発揮しないためそこまで重たい物を持つことができませんが、多関節種目であるデットリフトは始めたばかりの人でも高重量の100Kgを持ち上げることが可能です。トレーニングの醍醐味でもある、自己ベストの更新を目指すことでグングン記録が伸びるのもメリットの一つです!
【効果4】全身運動のため、消費カロリーが多い
【効果2】でも紹介したように1度のトレーニングで動員する部位数も多いことから、一般的なトレーニングよりもカロリーの消費量が多い傾向にあります。それだけなくカロリー消費の要でもある下半身も使用することから強度面によるアフターバーン効果も期待できるので、筋トレとダイエットの両方を兼ね備えているハイブリッドトレーニングとも言えるでしょう!
【効果5】バランスよく背中を鍛えられる
初心者の内は背中の鍛え方が分からないだけでなく、間違った鍛え方でバランスの悪い筋肉体型になることも考えられます。下手に【ローイング】や【ベントオーバーロウ】といった高難易度トレーニングには手を出さず、簡単にバランス良く鍛えられるデットリフトから始めることをお勧めします。
デットリフトを効率よく行うためのポイント3選
~point1~足の位置を最初に決める
足の開き方には【ワイド】と【ナロー】の二種類があります。ワイドは足に力が入るギリギリまで足幅を広げて行うので、背中への負荷が大きくなり高重量を扱いやすい傾向にあります。ナローは肩幅程度で行うので下半身をしっかりと使うことができますが、その分地面から引き上げる距離が長くなるので扱う重量が少し落ちてしまいます。※ナローは腰への負担が特に大きいのが特徴です。
~point2~手の位置を決めます
握りは大きく分けて【オルタネートグリップ】と【オーバーグリップ】の2つとなりますが、私はオルタネートグリップをお勧めしています。一般的なオーバーグリップのように左右とも同じ向き(順手)でバーベルを握った場合、重量が重たくなるほどバーベルが手の中で回転するのでトレーニングに支障がでます。
それに比べてオルタネートグリップは左手は順手、右手は逆手といったように左右で違う握りをする方法となっています。バーベルが回転する動きを抑えてしっかりとロックすることができるため、腕から背中全体へ力が加わりパフォーマンスが向上しやすいのが強みです!
~point3~フィニッシュ時は胸を張る
バーベルを引き切った際に胸を張ることでそこまで蓄積された負荷が一気に背中へ入ります。引き上げる前の伸びた状態から引き上げる際の収縮過程、引き切った際には完全に縮めることがテッドリフト本来の流れとなっています。
デットリフトの注意点
- 必ずウォーミングアップを行う
- フォーム(姿勢)を崩さない
- サポートグッズを有効活用する
- 腰で上げない
①必ずウォーミングアップを行う
高重量を扱う種目は特にウォーミングアップが必要です。手間だからと言って省いてしまうと後から痛い目を見ることになります。しっかりと身体を温めて筋肉をほぐしてあげることで怪我の防止だけなくパフォーマンスの向上にもつながるので必ず行いましょう!
デットリフトのMAX重量が150Kg以内の場合は自分のMAX重量の1/3位からアップを始めるのが理想です。(例:150Kg上がる場合は50Kgからスタート)
②フォーム(姿勢)を崩さない
(デットリフトに置いてもっとも腰を痛めすい原因)はフォームにあります。下半身主導で行うためにもしっかりとお尻を突き出すようにして膝が前にでないように注意することが必要です。その際は【顔をしっかりと正面へ向ける】【胸を張る】【背筋を真っすぐにする】ことを意識しましょう。間違っても猫背(背中が丸まった)状態で行ってはいけません!
③サポートグッズを有効活用する
高重量になればなるほど握力(握った状態を保持する力)が必要になってきます。グリップ力が無いと背中や足を使うよりも前に指がはがれてしまい、トレーニングの質が落ちる原因にもなります。安定したグリップ力を生み出す【パワーグリップ】を使用するなどして効率を上げるようにしましょう!私の場合はパワーグリップがある場合とない場合では扱える重量が20Kgも違ってくるので必須アイテムとなっています。
④腰で上げない
腹圧を意識できていないと身体全体ではなく腰から持ち上げようとしてしまいます。人間の本能的な部分があるのかもしれませんが、②同様にフォームを崩す要因にもなりますのでお腹に力を入れて腹圧を意識することが大切です。最初は難しいと思いますが、腰ベルト等を使用すれば強制的に腹圧を引き出してくれるので初心者の方は是非取り入れてみましょう!
また、お尻の位置が高すぎることも腰で上げる原因となります。下半身の力を使用するためにもスタート段階から膝を曲げてお尻を低くし、腰を落とすことで負担を減らすことにつながります。
まとめ
今回ご紹介したデットリフトは腰を痛めやすいということから避ける方は沢山います!背中をまんべんなく鍛える為にはこれ以上ないトレーニング方法となっているので正しい知識とフォームを習得した上で確実に重量を上げていくことが大事です。男らしい背中を手に入れるには避けては通れない道です。恐れずに挑戦しましょう!