HIITとは?
●High Intensity Interval Trainingの略
頭文字をとってHIIT(ヒイト/ヒット)と呼びます。「タバタプロトコル」と呼ばれており元々はオリンピック選手などを対象とした心肺機能や競技力向上を促進するトレーニングの一環でした。
数種目のメニュー(激しい運動)と休憩を短時間の中で繰り返すことで莫大なエネルギーを消費するトレーニングとなります。ジムではランニングマシンやエアロバイク、自宅で行う場合はバービージャンプなど全身運動+激しい動作を伴うものであればなんでも「HIIT」のメニューとして取り入れることが可能です。
頻度はどのくらい?
強度にもよりますが下半身を使う傾斜をつけたランニングマシンや負荷を強めたエアロバイクなどで行う場合は下半身へ疲労を蓄積しやすいので回復期間を考慮して1週間に3回程度が望ましいです。自重をメインとしたメニューの場合は最大で1週間に5回行うことが可能ですが、筋肉への負荷が大きいので無理はやめておきましょう!
筋トレやダイエットに共通して言えることですが、休憩もトレーニングの一環です。特に強度の強いHIITは心肺機能を爆発的に高めることから酸素不足や筋肉疲労による痙攣などが起こる可能性大です。しっかりと水分や塩分を摂りながら、インターバルを活用してください。気持ちが先行するのは分かりますが、決して無理せずに常に自分の身体と相談しながら進めていくことが大切です。
HIITのメリットを紹介!
- 短時間で終えることができる
- 通常の有酸素に比べて数倍の効果を見込める
- アフターバーン効果
- 遅筋が増えず速筋が増える
①【通常の有酸素運動の場合】脂肪燃焼効果を最大限発揮する為には、通常30分~40分間は必要となります。景色を見ながらのランニングやサイクリングであれば飽きずに継続できるかもしれませんが、ジム内や自宅などでは集中力が続かず、トレーニングへ大きな影響を与えてしまいます。
①【HIITの場合】平均で5~10分ほどしか時間を使用しません。インターバルを短くすることによって短時間で追い込める半面、運動内容は激しくなっているので辛いかもしれません。一時的な呼吸の乱れはありますがその効果は絶大!場所も問わず、マシーンや自重を使った方法などたくさんのバリエーションがあります。
②一定時間に渡って身体へ負荷をかけ続けることで筋肉中に存在する糖の消費量が多くなり、脂肪が燃えやすい状態へと変わります。同時に心肺機能の向上も見込めるので基礎代謝の改善だけでなく、カロリーの消費量増加や内臓脂肪の燃焼も促されます!
③ 激しい運動を行うことで体内から酸素が逃げて酸欠状態になります。それを補うために多量の酸素を取り込み、糖を消費するように身体のサイクルが変化します。代謝が向上し脂肪を燃焼しやすくなるその現象をアフターバーンと呼び運動後24~72時間継続するとも言われています。トレーニング中だけでなくその後数十時間に渡って効果が続くのはまさに最高の恩恵です。活用しない手はありません!
④一般的な有酸素運動は強度が低いため、遅筋繊維が増えてしまいます。遅筋はゆっくり収縮する筋肉のことを指し速筋と違って強い力を発揮することができないのが特徴です。持久力を付けたい人には通常の有酸素をおすすめしますが、今のパワーを落としたくない方はHIIT一択です!
セットの組み方
【高難易度】全力運動(20秒)→軽く運動(10秒)の繰り返し
【中難易度】全力運動(20秒)→軽く運動(20秒)の繰り返し
【弱難易度】全力運動(20秒)→休憩(10秒)の繰り返し
【初心者向け】全力運動(20秒)→休憩(20秒)の繰り返し
※高難易度のサイクルを合計30秒×10セット=300秒(5分)が理想
【高難易度】がHIIT本来の流れとなりますが、一般の方にはレベルが高すぎる為、【初心者向け】から順に始めて身体が慣れればレベルを上げていくのがもっとも良いかと思います。セット数についても最初は5セットを目標にして最終的には8~10セットをこなせるように頑張りましょう!テンポよくこなせるようになるまでは、インターバル時にしっかりと休憩することが大切です。次の種目を確実にこなすためにも無理はせずに休むことを心掛けてください。
HIITを行うタイミングについて
●理想はトレーニング前(トレーニング後でもOK)
トレーニング前に激しい運動を行うことでアフターバーン効果を維持したまま筋トレに臨むことができます。アドレナリンが高い状態だとパフォーマンスの向上だけでなくウォーミングアップも兼ねることができるので最高の組み合わせです!
あくまで理想なので「筋トレ前にそんなことをしたら疲れ切ってしまう」と感じる方は、トレーニング後でも問題ありません。とにかくHIITを行って少しでも多く、長い時間アフターバーンを身体に引き起こすことが痩せる為の近道となります。
理想に囚われすぎず行動を起こすことから始めましょう!
種目について
自分が鍛えたい部位や負荷の高いものを選ぶと良いですが、一般的に取り入れられている種目を下記にピックアップしていますので是非参考にしてください。心肺機能への影響があるものが前提で筋肉だけへの刺激にならないように選択を行うと効率的です。また各部位へ負荷が集中しないように交互に織り交ぜるなどして工夫することも意識しておきましょう。
- 短距離ダッシュ・・・全身運動+心肺機能
- バーピー・・・全身運動+心肺機能
- ジャンピングスクワット・・・全身運動+心肺機能
- ジャンピングジャックス・・・全身運動+心肺機能
- スプリットジャンピングスクワット・・・全身運動+心肺機能
- エアロバイク・・・下半身+心肺機能
- ランニングマシーン・・・下半身+心肺機能
- マウンテンクライム・・・下半身+心肺機能
- 拍手腕立て伏せ・・・上半身+心肺機能
- ジャックナイフ・・・腹筋+心肺機能
- ピストルクランチ・・・腹筋+心肺機能
おすすめの種目5選
●ジャンピングスクワット
主に下半身への負荷がメインにはなりますが、ジャンプする際にしっかりと手を振り上げることで全身へ負荷を循環させることが可能です。心肺機能への影響が非常に大きくHIITには絶対に取り入れてほしい種目となっています。着地の際にはしっかりと膝を曲げてできるだけ深くかがむようにしましょう!
●バーピージャンプ
全身運動の要ともいえる種目です。全ての筋肉を使用する為、HIITメニューに組み込むと負荷が一気に増えます。少し上級者向けとも言えるので慣れるまではゆっくり確実にこなすといいでしょう。
●マウンテンクライム
鬼のように心肺機能へ刺激を与えてくれます。しっかりと自分の懐へ足を入れることで無駄なく確実に脂肪燃焼を促してくれます。スピードを重視することで心肺機能へ、動きを重視することで下半身への刺激と、負荷のかけ方を使い分けることも可能です。
●ピストルクランチ
腹筋種目も忘れてはいけません。手を重ねてピストルのような形にし、天井へ向けて高く伸ばしてください。急ぐ必要はありません。しっかりと身体を持ち上げて腹筋を最大限収縮させることでお腹周りの脂肪も燃焼してくれます!常に動き続けるよりも一回一回静止して感触を確かめることも大切です!
●拍手腕立て伏せ
下半身ばかり鍛えては意味がないので上半身にもしっかりと負荷をかけましょう!この種目はテンポ重視でこなしてください。身体が持ち上がらない人は膝をついて行ってもかまいません。とにかくテンポよく!スピーディーに進めることが先決です。
注意点
- ノーアップでいきなり全力運動はNG!
- 酸欠には要注意!
- 一日に何度も行わない
①ノーアップでいきなり全力運動はNG!
何度もいいますが、HIITとは高強度で短時間インターバルのトレーニング方法です。ウォーミングアップや軽い運動をせずにいきなりMAXスピードで始めてしまうと心臓が急な供給についていけなくなります。私の自己体験談でもありますが確実にどこかしらの部位を痛める要因となりますので、順序を守りつつ身体を入念に温めて行ってください。
②酸欠には要注意!
HIITは心肺機能を狙って身体を動かす為、酸素供給量が徐々に少なくなり脳へ酸素が回らなくなります。よく「限界まで追い込むことが大事」と言う人がいますが、一概に正しいとは言えません。一番は自分の身体の限界を超えないことです。酸素が薄くなると目まいや吐き気など危険信号が発せられます。その信号を見逃さないようにし、すぐに中断する。もしくは休憩するなどしてください!
③一日に何度も行わない!
HIITは1日1回を1週間に最大でも5回が限度です。数をこなせばもっと痩せると考える気持ちも分かりますが、疲労蓄積度が一般的な有酸素運動の比ではありません。急ぐ気持ちを抑えて数ではなく質で勝負して結果を出しましょう!
まとめ
今回は有酸素運動を超えた最大効率のダイエット法「HIIT」をご紹介させていただきました!はっきり言って瞬間的なしんどさは№1ですが、それ以上の効果とメリットがあります。楽して理想の身体を手に入れることはできません。自分に身体にエンジンをかけて脂肪をガンガン燃焼していきましょう!